前半30分前に鹿島がフリーキックを得ると、ナシオナルのペナルティエリア内で西大伍がファールで倒されたとして、PKを獲得。
これを土居聖真が確実に決め、鹿島が先制。
後半も前半と同様、ナシオナルが攻め続けますがゴールを奪えない。
すると試合終了まで残り10分を切ったところで、鹿島がサイドから崩して立て続けにゴールを決め、3-0で鹿島アントラーズがアトレティコ・ナシオナルに勝利しました。
クラブワールドカップで初のビデオ判定
今回のクラブワールドカップで、FIFA主催の大会では初となるビデオ判定が行われました。前半のPKにつながるファールのシーンは、従来であれば見逃されていたかもしれない。
エリア内で西とナシオナルの選手が接触して倒れこむのはよくある光景で、一度はクリアされそのままプレーが続行されていた。
それがビデオ判定システムの導入で、待ったがかかり、主審がピッチの外に出てなにやら確認中。
再びピッチに戻ると、エリア内でファールがあったとし、PKになったのです。
リプレーでは西がいったん相手に身体を当て、前方へ移動しようということころで足がひっかかったのか、倒れこむ。
あれでファールを取られるのか・・・と、相手にはちょっと厳しい判定のようにも思えた。
逆の立場だったら、文句言ってたかもしれない。
仮に接触せず、ファールとならなければ得点になったのか?と問われれば、得点するにはちょっと難しかったかもしれないので、必要以上に接触するのは避けたほうが賢明だったともいえる。
とはいえ、何が起こるかわからないんだし、きっちりディフェンスをしたいという相手の心理も理解できるので、結果論になっちゃいますけどね。
鹿島アントラーズが絶え続け、終盤に追加点でナシオナルを引き離す
思わぬ形で鹿島に1点が入り、ナシオナルの猛攻が続く。鹿島も守りは固めているんだけど、ボールを奪うことまではなかなか難しいようで、シュートまで持ち込まれはするものの、最後のところでなんとか耐えて前半を終える。
後半もナシオナルのペースで試合が進む。
後半の20分過ぎには、鹿島のペナルティエリア内でこぼれたボールを拾ったナシオナルの選手が、枠内にいれればほぼ得点という場面で、フリーの状態だったにもかかわらず、痛恨のシュートミス。
残り時間が徐々に少なくなっていたことで、さすがの南米王者もあせりが出てきたかな?と思わせるシーンでした。
いよいよ残り10分を切ったところで、鹿島がこのまま勝つ?それとも追いつかれる?と、ドキドキ。
するとナシオナルの左サイドで両チームが競り合い、柴崎がボールをキープすると、前進して中央にクロスを送る。
ディフェンスの裏に抜け、中央に走りこんでいた遠藤と、飛び出してきたキーパー、どちらが先にボールに触れるかの勝負になった。
その時点ではキーパーが先に蹴りだそうとしたかに見えたけど、ボールにヒットせず。
そのままキーパーの身体に当たりブロックされかけたが、ボールが遠藤のほうに転がり、ヒールで流し込み追加点。
振り向きなおしてシュートしていたら、カバーに来ていたディフェンスに阻止されていたかもしれないので、ナイス判断でした。
終盤で2点差、さすがにひっくり返すのは難しいだろうと、これで鹿島アントラーズの勝利を確信しました。
ナシオナルもまだあきらめてはいなかったようだけど、スタミナも尽きてきたようで、集中力も運動量も落ちた様子。
攻め方が雑になってきたところで、鹿島が自陣から右前方の金崎に向けてロングボールを出す。
ナシオナルの選手との競り合いに勝った金崎が右サイドの奥までドリブルで持ち込むと、ファーサイドの鈴木優磨とキーパーの位置を見極め、中央に折り返しのクロスを放つ。
キーパーは飛び出せず、ボールを追う形になり体勢が乱れる。
ファーサイドで待ち構えていた鈴木優磨がボールの転がるタイミングとキーパーの動きをしっかり見て、ちょんと足を出してシュート、あっさり3点目が入った。
最後まで守備もがんばり、南米王者のアトレティコ・ナシオナル相手に3-0と完封勝利。
見事な勝利でした。
クラブワールドカップ準決勝の試合後の感想
日本のクラブでは過去の最高の成績は3位でしたが、この日の勝利でアジア勢のクラブでは、初めて決勝へ進出することになりました。決勝で勝てば優勝、世界一です。負けても世界2位という称号が手に入る。
開幕戦のオークランド・シティには勝てると思った。
マメロディ・サンダウンズに勝つのは難しそうと思ってたけど、それでも勝った。
アトレティコ・ナシオナルに勝てるとは思ってなかったので、準決勝まで進めばじゅうぶん、あとは3位決定戦で勝ってくれれば・・・と思っていました。
それがまさか3-0で勝利するとは・・・。
正直に言うとアジアでもそんなに強くないクラブが決勝に行っちゃっていいんだろうか?という気持ちもある。
もちろん勝ってうれしくないはずがないんだけど、素直に喜んでいいのかどうか・・・。
たぶん世界のサッカーファンの多くは、欧州と南米のクラブによる決勝戦を見たかったんじゃないかと。
欧州対南米の試合がメインで、他はおまけ・・・みたいな。
とくに今回は南米のクラブ、シャペコエンセに所属する選手の多くが飛行機事故で命を落とすという悲劇があったばかりで、シャペコエンセがカップ戦の決勝戦で戦うはずだった相手がアトレティコ・ナシオナル。
クラブワールドカップの決勝にアトレティコ・ナシオナルが進むほうが、勝つにしろ負けるにしろ、美談になる。
その決勝に鹿島アントラーズが出るのは、なんか場違いな気がしてしまうのです。
でも、決勝に進むとなった以上、鹿島アントラーズには優勝するつもりでがんばってほしいです。
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