科捜研の女、最終回のあらすじ
早朝、セキュリティ会社の警備員2名が、ある高級住宅に入っていく。家の者が出てきて何事かと驚きながら話を聞くと、通報ボタンが押されたことで駆けつけてきたようだ。
すると洗面所に一人の男性が倒れているのが見つかる。
この家の主人、小田山航志郎(平岡秀幸)であった。
すでに亡くなっており、頭部をなにかで殴られたような痕跡、付近には凶器らしきものがあり、事件として捜査されることとなった。
セキュリティは万全
この高級住宅には亡くなった小田山航志郎と妻の浩乃(佐藤仁美)だけが住んでおり、妻は事件が起きていた時間はまだ寝ていて、気づかなかったという。科捜研の面々も手がかりになるものを見つけるべく色々調べていると、セキュリティ会社の社長、秋月裕作(石橋保)が現れる。
秋月はセキュリティ対策は万全であると誇らしげに語る。
科捜研がセキュリティ会社の防犯カメラなどもすべてチェックした結果、外部から侵入されたという確証は得られなかった。
となると家の中にいた人物が怪しいということで、科捜研もひとまず内部犯と結論付ける。
そんななか榊マリコ(沢口靖子)は被害者の頭部の傷の位置が気になっており、また、本当に完璧な防犯システムなのか、さらに検証を重ねる。
他の可能性とは?マリコさんの推測
結論としては、やはり外部からの侵入は不可能。しかし防犯カメラを避けて侵入できるかどうかに気を取られすぎ、他の可能性については見落としていたことに気づく。
改めて録画された防犯カメラの映像を見ていると、事件の2日ほど前にセキュリティ会社の秋月が、大きなダンボールを被害者宅に運び入れる様子が映っていた。
マリコはそのダンボールに誰か入っていたのではないかと推測する。
犯行までの2日間、家の内部に潜んでいられるのかという疑問の余地はあるが、ダンボールの箱のなかに人がいた形跡があるかもしれないと、マリコは涌田亜美(山本ひかる)を連れ、秋月のセキュリティ会社を訪れる。
目的のダンボール箱は破れてしまったので捨てたと秋月。
セキュリティ会社から帰る際のエレベーターの中で、マリコと亜美が事件について少し話し合う。
仮に家の中に入ったとしても、どうやって家からでたんですか?と亜美。
防犯カメラにもそれらしき人物は映っていないことから、誰も家からは出ていない、ならば犯人はまだ家の中にいる・・・と一つの仮説をたてるマリコさん。
このとき2人が話している様子を、エレベーター内部の監視カメラで見ている秋月社長。
すっかり日も落ちた夜、マリコは小田山の家を訪れ、他に人がいないか、家の中を調べさせてもらう。
マリコさんが出勤しない?
翌日、出勤時間になってもマリコが来ていないと、洛北医科大学の風丘早月(若村麻由美)に心当たりはないかと尋ねる日野和正(斉藤暁)所長。マリコを探すため土門刑事が小田山家へ、土門の部下、蒲原勇樹(石井一彰)刑事がセキュリティ会社へ向かう。
土門刑事が小田山家を探し回るもマリコは見つからなかったが、蒲原刑事が防犯カメラの映像からマリコが小田山家を出たところを確認したと土門に報告する。
マリコは小田山家を出たあと、どこへ行ったのか?
周辺の防犯カメラから探そうと、刑事と科捜研のメンバーが情報収集にあたる。
場面が切り替わって、暗い部屋から出てくる秋月社長。
しっかりドアに鍵をかけるが、会社の建物なのかハッキリはわからない。
直後に縛られたマリコが・・・!?
前のシーンに続けて流されることで、まるで秋月がマリコを監禁しているように見えるが、果たして真相は?
科捜研の女、最終回の感想(ネタバレあり)
妻を佐藤仁美さん、セキュリティ会社の社長を石橋保さんが演じています。登場人物的に、この2人のどちらかが犯人なのでは?と、疑いながら見ていました。
完璧な防犯システムで外部の人間による犯行と立証するのは難しい。
かといって内部の人間、つまり妻である浩乃が犯人と断定できる確たる証拠もない。
初めは、防犯システムを突破した犯人の手口を、科捜研が活躍して解き明かすのかな?なんて思っていました。
しかし本当に外部からの侵入は無理なよう。
だからといって内部犯、つまり妻を犯人とするには、ちょっと安直過ぎる。
シンプルに、冒頭に登場したセキュリティ会社の警備員がもしかしたら・・・なんてチラッと思ったりもしましたが、誰がどうやって犯行に及んだのか・・・と、ストーリーから目が離せませんでした。
防犯カメラの映像が手がかりに
手がかりのひとつになったのが、防犯映像。まだ犯人がいるかもしれないと、マリコさんが小田山家に向かい、その後、家から出てきたシーンです。
家に入るときはしっかり顔が映っているので、マリコさんだとわかる。
でも、帰るときは顔がいっさい映っていない。
あきらかに怪しい・・・でも、マリコさんじゃなければ誰なんだろう?と謎は深まる。
マリコさんが小田山家に行く前に亜美ちゃんとセキリュティ会社へ行き、そこで秋月社長には高校を卒業した娘がいると話しています。
もしかして、その娘?・・・なんて、もう出てくる人物すべてを疑ってしまう。
セキュリティ対策は家の内部まで・・・
夜、小田山家から出て行ったのはマリコさんではなかったということで、まだ小田山家にマリコさんがいると判断した土門さんと科捜研のメンバー。機器を使い、家の中に隠し部屋があることが判明、土門さんが部屋の入り口を見つけ中に入ると、そこにマリコさんがいました。
「なんなのこの部屋」と、被害者の妻の浩乃も、この部屋については知らなかったようだ。
この部屋は、以前泥棒とばったり出くわした家の主が、なにかあったときに逃げ込めるよう作らせた、いわゆるレスキュールームでした。
マリコさんの考えでは、事件の2日前に秋月社長が持ってきたダンボール箱の中に人が入っていて、スキをみてレスキュールームに入る。
セキュリティ会社との契約が切れる日が近いことはわかっていたため、犯行後もレスキュールーム内にとどまり、期限が切れるのを待ってから、家をでる計画だったとのこと。
事件の真相
犯人は誰なのか?秋月が知っているはずと、秋月社長を追う土門さん。
この部屋には犯人の痕跡が残っていると、部屋の内部を調べるマリコさんら科捜研。
秋月が運転する車をNシステムで探し、同情する助手席の女性が真犯人とつきとめる。
彼女は小田山家で働いていた元家政婦でした。
犯行の動機は、一時内縁関係になり子どもまで作ったのに、結婚してくれなかったこと。
自分は結婚してもらえなかったのに、今の奥さんとは結婚しているということで、妻も敵対視していた。
防犯対策がしっかりしているので外部犯ではないとなれば、妻の浩乃が疑われる。
妻が犯人となれば相続権はなくなり、財産は小田山に認知されている子どものものとなる。
恨みをはらせて、財産まで手に入れられる・・・ということらしい。
秋月社長はこの家政婦に娘を人質に取られ、無理やり協力させられていたのでした。
妻の浩乃が事情聴取の際に、家政婦がいたことを言ってはいたけど、顔も名前も出ていなかったので、家政婦が犯人とはまったく考えもしなかったな~。
家政婦として働いていたなら、レスキュールームの存在も教えてもらえばわかりそうだし、妻を陥れるためということで、外部犯につながるような証拠となるものを残さなかったのも納得。
トリックというかネタがわかれば、なんてことのない事件にも思えますが、犯人と動機がわかるまで、けっこう楽しめました。
来週も普通に放送されるのではないかと思えるほど、あまり最終回っぽさは感じなかったけど、これで最終回なんですよねぇ。
次のシリーズが待ち遠しいです。