番組の告知では、主演の沢口靖子さんがお肉と一緒に吊るされているシーンを何度か目にし、なにがおこっているんだろう?とけっこう気になってました。
今回もあらすじや感想を交えて、書いていきます。
科捜研の女・第17シーズンのあらすじ
奇妙な事件が発生
銀行員の渡辺という30代の男性が、肉を熟成させる熟成庫で、両腕を吊るされた状態で遺体となって発見されるという事件が発生。現場に駆けつけたマリコ(沢口靖子)が遺体を調べたところ、生きた状態で吊るされたことがわかり、しかも抵抗した跡は見られなかった。
実際にマリコも吊るされた状態となり、縄をほどこうと身体を動かしてみた結果、両手首にしっかりと傷がついた。銀行員の男性の傷跡とは明らかに違う。薬品で眠らされた可能性もあると、遺体を洛北医大へ搬送する。
マリコの指示の元、科捜研のメンバーは現場と周辺の情報収集にあたる。
マリコと宇佐見(風間トオル)が、熟成庫内の菌を採取していると、熟成庫の持ち主で飲食店経営者の館川里美(櫻井淳子)が血相を変えて入ってくる。人の出入りで温度と湿度の管理ができなくなり、熟成肉が使い物にならないと抗議。
そこへ土門(内藤剛志)が令状を手に登場、館川から事件について話を伺う。
民間の鑑定人が科捜研と共に仕事をする
洛北医大。風丘早月(若村麻由美)とマリコが検視中。口内に嘔吐の痕跡が見つかり、胃の内容物を調べることに。作業がひと段落ついたところで、日野所長(斉藤暁)に報告。
このとき銀行員の所持品の手帳に書かれていたメモから、「舌三郎」というハンドルネームで飲食店を評価する口コミサイトを利用していたことが判明。
宇佐見と呂太(渡部秀)の鑑定結果を待っていたところ、藤倉甚一刑事部長(金田明夫)から、鑑定したデータを提供するよう求められる。
日野所長が藤倉刑事部長の部屋で紹介されたのが、関西科学研究所の江藤壱(中川大志)という男性。同席していた熟成庫の所有者・館川社長が、自分は事件とは無関係であることを証明するために雇っていたのだ。
翌日から江藤も科捜研に合流して鑑定結果の報告で意見を出しあっていく。
女性オーナーが怪しい?
土門は捜査を進めていくなかで、口コミサイトでの評価により、経営が悪化した飲食店関係者数名から話を聞く。館川社長が経営する熟成肉のお店は、舌三郎もレビューしており、その評価は高かったのだが、土門は館川社長が舌三郎のことを知っていたのではないかと考える。
そこへ、土門に電話がかかってくる。
化けの皮がはがれたぞ・・・と、不敵な笑みを浮かべる土門。
館川は現在のお店以外にも飲食店を経営していて、舌三郎はそちらのお店の評価は0点をつけていた。
すでにカリスマレビュアーとなっていた舌三郎の評価は、一般者レベルの評価よりも影響力が大きく、お店の評価も一気に下がり、閉店せざるを得なくなった。
その事実を知り犯行の動機になると考えられたが、果たして・・・
科捜研の女・第17シーズンの結末と感想
鑑定結果からわかったことなど
鑑定の結果から、いろいろなことがわかってきました。- 舌三郎は渡辺のほかに、同じ銀行員の同期がIDを共有して、レビューを書いていた
- 口コミサイトで高評価することで、お店から謝礼を受け取っていた
- 渡辺は自分がレビューしたことで、館川の前の店が閉店したことを悪く思い、館川の現在のお店ではアドバイザー的な立場で協力していた
- 渡辺の胃の内容物に食器などに使われる釉薬が入っていて、他の食材と化学反応を起こし、中毒症状に陥った
- 科捜研で舌三郎と口コミサイトの分析をする前に、誰かがすでに調べていた形跡があった
民間の鑑定者を雇って身の潔白を証明しようとする飲食店のオーナー館川が、とても怪しく見えていたんですけどね。
舌三郎である渡辺は、館川にとってはお店をつぶした張本人ですから憎悪する気持ちは確かにあったけど、それがきっかけで新しいお店では協力関係にあったとまでは、想像つかなかった。
この女性オーナー館川里美を、櫻井淳子さんが演じています。
他に顔を良く知っていたり、名前がパッと出たりするような人はいなかったので、オーナーが怪しく見えてしまったのかもしれない。
事件の真相と犯人は?
犯人は口コミサイトのシステム部の人でした。レビューで高い評価をしてもらったお店の人が、本当にお金を払わなきゃダメ?といった相談がきっかけです。
評価を上げた原因を調べる過程で、舌三郎が複数人いることを把握。お金をやり取りすること、IDを他人と共有することはもちろん不正。
こういったことが許せなくて、以前、釉薬を誤飲して腹痛が起きたケースを思い出し、舌三郎の住所をつきとめるついでに、懲らしめてやろうという気持ちから、サンプル品に釉薬が混ざったものを渡辺に送ったとのこと。
サンプル食品を食べた感想メールでは、腹痛や健康被害を訴えるようなことが書かれていなかったことを疑問に思い、渡辺の家まで行って様子を見にいくと、ちょうどゴミを出しに渡辺が家の外へ出てきた。
そしてゴミ置き場の前で苦しみながら倒れる。
このままでは死んでしまうかもしれない、やばいと思った犯人は、渡辺の所持していた熟成庫のカギが落ちたことに気づき、熟成庫まで渡辺を運び、意識が戻っても逃げられないよう吊るしたと供述する。
動機はともかく、犯行がちょっと都合良すぎかなぁ・・・と感じました。
渡辺の様子を見にいったら、外に出てきて、そこで倒れる。どこかに運び出そうとしたら、カギが出てくる。誰がいるかもわからない熟成庫に運ぶというのも、不自然だし。
犯人はあの人じゃない?と、見事に女性オーナーと思わされただけに、真相の出来がいまいちに感じてしまいました。
最後に・・・
今回は民間人の江藤が科捜研で一緒に働き、このまま準レギュラーとして登場するのかなぁ・・・なんて思ったりもしました。当人も科捜研で働きたいと思っていて、職員を採用する際、最後まで候補に残っていたみたいだし。でもラストのシーンで、何日も泊り込む仕事は間違っている、寝食を忘れるほどの使命感は異常と、科捜研での働き方についていけそうにないので、登場するのは今回だけかな?
あと、この新シリーズが始まる直前に放送された「科捜研の女2017スペシャル」で土門さんが重体となりましたが、そっちはまったく関係ないというか、なかったという扱いでしたね。
土門さんも何事もなかったように、普通にお仕事してました。
先に「ドクターX」の放送がスタートしてしまったので、20時というこの時間帯で2時間の枠は取りにくい。
だから、第17シーズンの初回は通常の1時間で、その代わりにスペシャル版を作ったのかなぁ・・・なんて考えてみたり。
事件そのものについてはやや物足りなさを感じましたが、ストーリーが進むにつれて真相が明らかになってくるまで、自分の想像ではさっぱりわからなかったので、全体的にはけっこう楽しめました。
前シリーズと同様、2クールにわたって放送されるのかなぁ・・・今はそこが気になります。