【科捜研の女17】最終回2時間SPのあらすじと感想(ネタバレあり)第17シリーズ18話

2018年3月22日

ドラマ

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科捜研の女、第17シリーズが最終回でした。


科捜研の女17最終回「取調室の怪人」のあらすじ

2つの事件

南米のルベルタ共和国の副大統領夫妻が来日、副大統領の夫人はサトエ・マルケス(かたせ梨乃)という日系人で、京都に縁があることから、立ち寄ることとなった。

本来の業務とは異なるが、土門(内藤剛志)が副大統領一行の警備に当たる。


そんな折、警備会社の地下駐車場で現金輸送車が襲撃される事件が発生、科捜研が現場へ向かう。

また、そのころ京都府桂川警察署では、一人の老人(近藤正臣)が不法侵入の疑いで任意で事情聴取されていた。


謎の老人が榊マリコを呼べと要求

桂川警察署へ連行された老人は指紋がとれず、身元を証明するものもない。職員が身元について尋ねると、老人は榊マリコを呼べと要求。

事件の現場で色々と調べていたマリコに連絡が入り、桂川署へ向かった。


まず蒲原勇樹(石井一彰)が老人と話をし、マリコは別室でその様子を伺う。

ここへ来る前に蒲原が何をしていたのか推理する老人。まるでそのときの様子を見ていたかのような口ぶりに、事件の犯人かと問い詰める蒲原刑事。

それはありえないと否定しながら、マリコも部屋に入ってきた。


40年も前に死んでいた男

「やっと会えた」と喜ぶ老人。マリコは名前を聞こうとするが、自分は幽霊だから、マリコが調べろと、老人は自身のことを語ろうとしない。

何が目的かと聞かれると、おしゃべりをするためと、はぐらかす老人。マリコは身元を調べるためにDNA鑑定を求めた。


顔写真から照合した結果、左翼運動の活動家・朽木政一と判明。しかしこの人物は40年も前になくなっていた。


副大統領暗殺計画

佐伯志信本部長(西田健)、藤倉甚一刑事部長(金田明夫)、日野和正所長(斉藤暁)らが集まる一室。朽木政一の件から、刑事部は副大統領暗殺計画が現実に行われると予測する。

土門は公安との協力で、この計画の実行犯は朽木政一の部下だった繁森光之(西岡德馬)とつきとめていた。


現金輸送車襲撃事件をまるで見ていたかのように知っていた朽木政一と、来日中の副大統領を狙う朽木の部下の繁森光之。

関連性の薄かった2つが、ここにきて、つながりはじめた・・・。


科捜研の女・第17シリーズ最終回「取調室の怪人」の結末と感想(ネタバレあり)

朽木政一が40年も経っていまごろどうして現れたのか?

40年前の事件でいったいなにがあったのか?

そんなことを気にしながらドラマをみていました。

ストーリーが進むに連れ、そのあたりも判明していきます。


40年前の事件の真相

当時、朽木政一は弟の武二に殺害されたと考えられていましたが、実際は殺されたのは弟のほう。

活動方針をめぐって話し合うために、兄が弟を山小屋へ呼んだものの争いになり、弟に危害を加えられそうになったところを止めに入った者がいました。朽木政一の妻、里江子でした。

里江子はそばにあった包丁で、背後から武二を刺してしまったのです。


焼け跡から見つかった免許証と懐中時計で、遺体の身元が朽木政一とされていたから、別人だろうと思っていたので、やっぱりね・・・という感じでした。


40年経って朽木政一が現れた理由

すでに死亡扱いだった朽木政一がなぜ現れたのか?

マリコさんとのやり取りから、繁森光之の暗殺計画を阻止するためだけではなさそう・・・というのはなんとなくわかったけど、結論から言えば、繁森光之を殺害するためでした。

では、なぜ繁森光之を殺害する必要があったかというと、これも40年前の事件が関わってきます。


真相を知る者

40年前の事件があった日、現場付近には繁森光之もいたのです。

現場から朽木夫妻が立ち去ったあと、繁森光之は小屋の中にはいって、そこで何があったのか理解する。それと同時に、活動グループでの自分の立場を強めようと、一計を案じます。


現場には凶器となった包丁が残っていて、被害者の血痕と指紋が付着している。繁森はこれを持ち帰り証拠とすることで、妻が殺人犯とされたくなければ消えろと、朽木を脅す。

そういう事情があって、朽木は40年も潜んで生きてきたわけなんですね。


朽木政一が行動に出る

40年前の事件の真相や背景がわかってくると、ただ暗殺計画を阻止したいだけではなく、なにかするんじゃないか、やるとしたら、それはどんなことだろう?と思いながら見ていたら、朽木政一がスキをみて、行方をくらまします。


科捜研が防犯カメラの映像から繁森光之を見つけたときには、もう遺体になっていました。殺害された時間帯の現場付近のカメラに映っていることから、朽木政一が犯人というのは明らか。

40年前の事件や暗殺計画について、繁森光之と接触しようとしたとは想像がついたけど、まさか殺害するとは・・・とちょっと驚きました。


朽木政一の本当の目的

ドラマをみていて早い段階で薄々感づいた人も多いでしょうけど、朽木里江子と副大統領の夫人のサトエ・マルケスが同一人物。

繁森が所有する40年前の事件の証拠となる包丁、これをどうにか処分したかったんですね。


副大統領暗殺計画が実行されると、副大統領のそばにいる者は巻き込まれることとなる。夫人も一緒に殺されてしまうかもしれない。

かといって朽木が警察に通報し、暗殺計画を阻止して繁森が逮捕されると、繁森は40年前の事件のことを話すかもしれない。もし話さなくても所持品や押収物のなかから凶器が見つかり、調べられた結果、40年前の事件の真相が暴かれるかもしれない。


計画は阻止したいけど、繁森が逮捕されても困る。それで朽木政一は、警察が繁森の身柄を確保する前に、繁森を殺害してしまったのです。


初めはなにが目的なんだろう?と、朽木政一の存在がとても気になっていたけど、こんなふうにつながっていたのかと、興味深くみていました。


最後に・・・

警察に協力する姿勢を見せつつ、繁森を殺害。すべて朽木の計画通りに事が運び、警察、とくに科捜研は朽木にいいように利用された格好になってしまいました。

朽木の一番の望みは、副大統領夫人となった里江子を、無事帰国させることでした。空港で飛行機が飛び立つのをみて、朽木は思い通りの結果になったと、感慨にふけっていました。

しかし科捜研は、40年前の凶器の指紋から犯人を特定、夫人は日本に残り罪を償うことを選択します。

最後の最後で科捜研が一矢報いた感じでしたが、序盤からのらりくらりと話術で追求をかわし、警察を利用した朽木が一枚上手な印象。


外国の要人が日本で襲撃されるのを、マリコさんたちが未然に防ぐ・・・というお決まりのパターンかと初めは思っていたら、実はそうではなく、謎の老人をきっかけにどんどんその先が気になりだしてしまいました。

シリーズものとして長く続いているけど、まだこんなに楽しめるんだから、すごいドラマだな・・・と思わされる最終回でした。

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