日本代表対シリア代表の試合結果と感想【キリンチャレンジカップ2017】

2017年6月7日

サッカー日本代表 スポーツ

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キリンチャレンジカップ2017で日本代表はシリア代表と対戦。お互いサッカーワールドカップアジア最終予選を控えてのだいじなテストマッチ。

結果もさることながら、内容も問われる試合の経過と結果、気になった点などを書き残しておきます。


日本代表対シリア代表の試合経過

スタメンはGK川島永嗣、ディフェンスの最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都。

中盤はボランチに山口蛍、インサイドハーフには香川真司と今野泰幸。前線は左右に原口元気と久保裕也、1トップには大迫勇也。

香川真司が10分で負傷交代、前半は見所のない内容

試合開始から10分も経たないうちに日本にアクシデントが起こる。相手選手と接触した際に香川真司が負傷、急遽、倉田秋が投入されるという出だしとなった。


日本は両サイドの原口、久保の突破がカギということもあり、サイドで仕掛けようという意図は伝わるものの、良い形でボールを受けられず、相手選手にひっかかるか、戻して様子を伺うといった感じで、あまり効果的な攻撃はできなかった。

香川真司が交代した影響も少なからずあったのかもしれないけど、シリアのほうが果敢に攻めるという印象の強い前半でした。


後半に失点するも日本のペースに

後半から久保を下げ、本田圭佑を投入。個人で突破を図る形を作れないので、攻撃の基点となれる本田の投入は悪い選択ではなかった。

しかし後半開始早々、日本が攻撃の糸口を探す前に、シリアに先制される。

後半3分、シリアがショートコーナーでつなぐと、対応にあたった倉田があっさり交わされ、ゴール前にクロスをあげられてしまう。昌子がクロスを頭で跳ね返そうとするも、ポジショニングが正しくなくボールに触れず、飛び込んできたマルドキアンにヘディングシュートを決められてしまった。


前半よりもつなぐ意識を高めた日本にもチャンスが訪れる。

後半13分、右サイドからの仕掛けをやめ、いったん後方に下げ、逆サイドに展開。

ボールをもった原口が大迫にパス。大迫は相手を背負った状態でつぶされた格好になるも、サイドの長友にボールを出す。長友が相手との競い合いを制しスペースに抜けると、キーパーとディフェンスラインの間にグラウンダーのクロスを供給。

ゴール前では本田がファーからニアへ走りこんでいたため、ディフェンダーもつられて、ファーサイドはがら空き。そこに走りこんできていた今野がシュートを決め、日本が同点に追いついた。


親善試合ということもあり選手が次々に交代していくと、完全に日本が主導権を握るようにはなりましたが、得点を奪うまでには至らず、日本代表とシリア代表の試合は1-1のドローという結果に。


日本代表対シリア代表の試合後の感想

前半は思ったようなプレーをさせてもらえず、かといって修正もできず、ただムダに時間が過ぎていくだけで、収穫も内容もない印象でした。

もともとボランチの今野と経験の浅い倉田がインサイドハーフの2人では、攻撃の形を組み立てるだけでも難しそう。とくに倉田は香川の代わりに司令塔の役割をしてほしかったのですが、チームとしてどういう攻めをしたいのか、わかりにくかったです。

単純に試合に勝つことを考えるのであれば、香川の代わりに倉田ではなく、本田か宇佐美でよかったかな?と思うけど、ベストメンバーで普通に勝っても得るものは少ない。なので倉田を選択したハリルホジッチ監督の考えも理解できます。


本田圭佑の投入で流れを変える

後半、今野がさがり浅野が右サイドに回ったことで、本田がインサイドハーフのポジションでプレーするようになった。これが実に効果的で、パスをつないでサイドのスペースに味方を走らせたり、逆サイドのフリーの選手にロングパスなど、周囲が見えていた。


香川真司が「左肩関節前方脱臼」と診断され、来週行われるイラク戦は欠場するかもしれない。誰が香川のポジションに入るのか?

シリア戦を見る限りでは、インサイドハーフが今野、倉田ではダメということだけはハッキリした。2人のうち、どちらかを本田で・・・という流れになるかもしれない。インサイドハーフに本田がいる状態で、先発した久保や原口をどう活かすかというのが見れなかったことだけが、ちょっと心残りです。

乾貴士が良かっただけに浅野拓磨はマイナス評価

他に途中交代で出場した選手の中で、印象に残ったのが乾。ドリブルで持ち込み、攻撃を活性化させていた。

最後に味方にパスを出すタイミングや精度があれば、決定的なシーンをもっと多く演出できたかもしれない。相手にとって怖い存在になっていました。


いっぽう悪い意味で印象に残ったのは浅野。

浅野も乾と同じく途中から出場したのだけど、サイドが違えどプレーエリアは乾と似たようなもの。乾がテクニックとスピードで度々相手選手を戸惑わせ、身動きできない状態にさせていたのに対し、浅野は持ち味のスピードを活かして相手を置き去りにするようなプレーができなかった。

今までならスピードを活かせるほどのスペースがないから・・・と庇うこともできたけど、乾もスペースがないなかであれだけのことをやって見せた。交代人数が限られている公式戦なら、浅野より乾が優先されるでしょう。


日本が一方的に押し込まれ、カウンターを狙うしかない状況であれば、浅野のスピードは活きると思うけど、アジアレベルでそういった状況になることは少なく、あまり活かされそうにない。もう少し全体的にレベルアップしてもらわないと、8月の招集では呼ばれない可能性もあります。


シリア戦の日本代表について最後に・・・

チーム全体としては、前半と後半でまったく別のチームといった印象でした。前半のような戦いぶりでは話にならないので、前半のような状況に陥ったときにどうするのかをしっかり確認しあってほしい。

後半は勝ち越しを狙えるシーンも少なからずあったけど、交代選手か多かったこともあり、連携不足を考えるとあんなものかな?

勝って終わってほしかったけど、勝敗よりも、香川が欠けることのほうがダメージが大きい。来週の試合、監督はどう対応するんだろうか・・・と、今日の試合よりも次の試合のほうが気になる一戦となってしまいました。


 日本代表対シリア代表の試合結果

【スコア】
日本代表 1-1 シリア代表

【得点者】
48分 マルドキアン
58分 今野泰幸

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