ある医師の一家が何者かに家族もろとも殺害されてしまい、唯一生き残った少年が、30年後に復習を企てるというストーリー。
主人公は詐欺師の一ノ瀬浩一(草なぎ剛)。
詐欺師ならではの手口で事件の関係者に近づき、真相に迫りながら復習を果たしていく流れは、単純に次はどうなるんだろう・・・と続きが気になるドラマでした。
最終回の前の段階で、なぜ一家が狙われたのかという理由もほとんど判明しており、最終回は主人公の浩一がどういう形でニ科興三(市村正親)とケリをつけるか?というところに注目していました。
嘘の戦争、最終回のあらすじ
ニ科興三の長男の晃(安田顕)が浩一に騙され、2000万円の詐欺にあっていたことから、次男でニシナコーポレーション社長のニ科隆(藤木直人)は詐欺の被害を警察に届け、浩一は追われる身となるという状況から最終回が始まります。闇夜に紛れながら警察に見つからぬよう移動する浩一を、偶然通りかかった三瓶守(大杉漣)が見つけ、2人は三瓶の経営する養護施設へ移動。
浩一はいまどういう状況なのかを説明し、浩一の父から受け取った証拠について尋ねます。
それはニ科家の長男・晃が関わった事件の被害者の診断書のコピーでした。
当時ならともかく、今それを出したところで証拠としては弱いと判断する浩一。
しかしニ科側も診断書のコピーということは知らないと、ニ科隆に電話をかけ揺さぶる。
新たな証拠と証言する人物が現れたことで、ニ科隆は自分で処理しようと動こうとするが、父親のニ科興三は暴力的な手段を用いてでも、浩一らを排除しようと秘書に命じた。
電話をかけ終えた浩一は、仕事仲間のハルカ(水原希子)と公園で待ち合わせ。
警察の動きなどを教えてもらい、ニ科興三にとってもっとも大事なもの、すなわち娘のニ科楓(山本美月)をターゲットに定める。
楓になにか危害を加えるつもりなのかと心配するハルカに
「詐欺師は詐欺師らしいやり方で、30年前を終わらせる」と浩一。
浩一がニ科家の兄弟妹に接近
日が変わって、ニ科興三の指示で六車(神保悟志)が、三瓶を拘束し養護施設で浩一を待ち伏せる。しかし浩一は訪れず、代わりに警察が駆けつけ、六車が現行犯で逮捕された。
浩一の詐欺の師匠、百田(マギー)の手助けもあって、こうなることがわかっていたように、遠くから養護施設を見つめる浩一。
浩一が養護施設から去る道中、ニ科隆が現れた。
30年前の事件のこと、会社から重要なデータを盗んだことなどで、押し問答する2人。
どうしてもニ科興三に謝罪させたい浩一。
父親は謝らない、ムリだと、ニ科隆。
浩一は「明日終わらせよう、直接会って話をつける」と、ニ科隆に話し合いの場を設けることを伝える。
その夜、ニ科興三の長男の晃は、自身と父親が起した事件について罪悪感はあるものの、浩一のこれまでの行動にも不満を感じており、浩一に連絡しようとする。
電話はつながらず、なんとかしないと・・・と思いながら夜の町を彷徨うように歩く晃を、路地裏から浩一が監視していた。
翌日、ニ科楓に会うために、浩一は病院に来ていた。
「今夜で全部終わりにする。会長に謝ってほしい。お父さん説得してくれないかなぁ」と浩一。
了承する楓。
ニ科興三に真実を語らせ、謝罪させる策とは?
場所が変わり、ニシナコーポレーション。浩一の手伝いをしている詐欺師見習いの八尋カズキ(菊池風磨)は、ニ科興三と次男・隆の元を訪れ、2人を車に乗せ移動する。
向かった先は海沿いに建てられた別荘のような家。すでに浩一も来ており、一行は建物内へ。
室内には電化製品が並んでいる。どうやらネット回線を通じて、真実を白状させ、謝罪させるつもりのようだ。
しかしニ科興三は浩一の要求には応じなかった。
そうなるだろうと予想していたかのように、浩一はモニター画面のスイッチを入れる。そこには小さな小屋の外観、それに一人の女性が映し出された。
その女性はニ科興三の娘の楓でした。
楓は画面越しに「浩一さんに謝って」と、父親に懇願。
小屋は遠隔操作で一瞬のうちに炎に包まれると脅す浩一。
ニ科興三もさすがに観念したのか、事件について語りだす・・・。
インターネットでのライブ中継でようやく真実が明るみとなる・・・と思いきや、肝心な部分は「部下が勝手にやった」と、この期に及んでまだ言い逃れをしようとするニ科興三。
浩一の怒りは頂点に達し、リモコンのスイッチに手をかけようとし、ようやく事の重大さに気づいたニ科興三が土下座して謝罪した。
しかし浩一は「いまさら遅いよ。オレお前みたいな嘘つきがが大っキライなんだ」と言い放つと、モニター越しに小屋が一瞬で燃え上がる。
小屋の中の楓も炎の奥に姿が見えたが、まもなく回線が切れた・・・。
「あんたが殺したんだ。あんたがオレに同じことをしたんだ。」
「これがオレが30年前に味わった地獄だよ。」
モニター画面の前で慟哭するニ科興三に対し、事件の日からの恨みや怒りを言葉でぶつけると、浩一は建物から出て行った。
嘘の戦争、最終回を見終えての感想(ネタバレあり)
ニ科興三の口から謝罪と真実を告白させ、社会的制裁を受けさせる。それが浩一の目的だと思っていたのですが、最愛の家族を失うという浩一と同じ苦しみを味わわせるという結末でした。
法を犯すことを承知で長男の事件をもみ消す。
子どものためにそこまでする親ですから、自分のせいで一番年下の長女が目の前で亡くなってしまう、それはとてつもないダメージを受けるでしょう。
浩一が楓に会うために病院へ行ったときに、ニ科興三を脅すのに利用するだろうとは思ったけど、ニ科興三をそこまで追い詰めるとまでは、思わなかった。
ただ、これも浩一の策であって、実際には楓は殺されていない。
浩一が屋外へ出たあと、追いかけてきたニ科隆にトリックの説明をし、安否を確認させます。
ドラマではモニターの映像には小屋の外観だけ映っていて、爆破で回線が切れたから内部の映像は届かないという状況は理解しているけど、なにか意味ありげに何も映らないモニターの方も見せられるので、もしかしたら・・・と半信半疑で見ていました。
前に「詐欺師は詐欺師らしいやり方で、30年前を終わらせる」と浩一が言っていたし。
手品のように縄抜けして、爆破で小屋が燃え上がる直前に脱出する・・・みたいなことを想像していましたが、まさか録画映像を流していたとはね!
そこまで頭がまわりませんでした。
このあとニ科興三の秘書が警察のパトカー数台と共にやってくる。
建物の周囲は他に道はなく、周りは海。
逃げ場がなくなり、崖の淵まで追い詰められた浩一。
そこに晃がフラッと浩一の前に現れ、ナイフで浩一の腹部を突く。
赤く染まった手を周りにもわかるように前方へかざすと、後ろ向きに倒れるようにゆっくり崖から落ちていった。
え~?なんでここで!?
晃が浩一に何かするだろうとは前回あたりから感じてたけど、このタイミングで来るとは思わなかった。
ところがこれも浩一が仕組んだものでした。
この前日の夜、晃がフラフラと歩いているところを浩一が見ていたところまではドラマで表現されていましたが、このあと浩一が晃を路地裏に連れ、そのときに浩一が晃に指示したのでした。
なので浩一は怪我もなく、仲間に船で救出されて無事。
秘書の行動も読んで、ここまで計算していたことにちょっと驚きました。
目的を果たした浩一は後日、ニ科隆に会社の重要なデータを渡しつつ、少し会話をしてエンディングへ。
30年前の事件が徐々に明らかになるに連れ、関わった人たちが次々と不幸な目にあっていく展開に引きつられ、なんかあっという間に最終回も終わっちゃったな・・・というのが率直な感想です。
あと、初回では三瓶守(大杉漣)がとても怪しく感じたけど、事件に巻き込まれた関係者の一人というだけでした。
なにか悪いことに一枚かんでる~と思ったんですけどね、深読みしすぎでした・・・。