1トップで先発出場した大迫(ケルン)が前半で2得点、後半はPKで清武が決め、試合終了直前には途中出場の小林祐希が代表初ゴールを決めるなど、日本が4-0でオマーンに勝利しました。
まぁ、親善試合だし相手はFIFAランキング129位のオマーンですから、日本のホームなら勝って当たり前。
大喜びするほどのことでもないと、頭では理解しているつもりですが、ワールドカップアジア最終予選が始まってから、気持ちよく勝てた試合というのはなかったので、自然と顔がほころんでしまいます。
とはいえ、何人かの選手に対しては単純に喜んでいられない部分もあり、ちょっと気になった部分を書き残しておきます。
本田圭佑
今回は長谷部が控えに回ったので本田がキャプテンマークをつけてプレー。これまで代表で経験の浅い選手が数名混じると攻撃面で不安定になることも少なくなかったので、困ったときにはボールを本田に渡す・・・ということが多かった。
そういう意味では今回も頼りにされていたとは思うんだけど、ボールがキープできない、サイドの崩しを狙っても連携が合わない・・・というシーンが目だった。
これが格上の相手ならしかたないと思うけれど、相手はオマーン。このレベルでタイトにこられたから、思うようにプレーさせてもらえなかった・・・では困ります。
齋藤学
左のサイドハーフとして先発。何度か得意のドリブルをしかけチャンスメイクするシーンはありましたが、まずボールを受ける際のファーストタッチがいまいち。対戦国のレベルが上がれば、味方からのパスも精度が低くなり、自分に寄せてくるディフェンスも厳しくなる。
そんな状況でJリーグで見せているようなプレーができるようには見えなかった。
アジア2次予選ならともかく、最終予選となると、戦力として当てにするには難しい。
岡崎慎司
60分から途中出場。イングランドプレミアリーグで見せているような献身的にプレーすることを心がけていたように見えた。その意識自体は悪くないのだけれど、ボールコントロールまでもがプレミアでのプレーのように、しっかり収められない。
清武や本田のような技術を求めるのは酷ではあるけれど、相手のレベルを考えるともう少し上手にプレーしてほしかったな・・・と思いました。
浅野拓磨
60分から途中出場。本田のいた右サイドのポジションにそのまま入ったものの、今の彼にこのポジションでやれることはそう多くはない。PKを誘発するファールこそもらえたけれど、チーム全体としてサイドの浅野を活かす・・・という共通認識を持ってもらわない限り、期待されるほどの活躍は見せられそうにない。
チーム全体
最後にチーム全体について。前半は良かったと思うけど、後半は考えすぎてしまったのか、内容はそんなによくありませんでした。
PKで追加点を取れたけれど、あれがなければ終了間際まで追加点なしの状態でしたからね。
試合を見ているほうとしては、親善試合だしゲームの勝敗がほぼ決まってしまうので、PKを取ってくれなくてもいい・・・くらいの気持ちでしたが、後半はホームで格下相手に善戦されてしまったと言っていい。
そうなってしまった要因の一つに原口、岡崎、久保、浅野と、途中出場した前線の選手のなかに、全体を見回せてパスを出す、あるいは人を使える選手がいないこと。
同じく途中から小林祐希が出場し後方から何本かパスを通そうとしていたけれど、パスカットされていたし、出場経験の浅い彼に、パスミスの責任を負わすのもかわいそう。
清武か本田あたりが、プレッシャーの少ないボランチの少し前の位置からパスを供給できる形が取れればよかったんだけど、二人とも交代してベンチに下がってたしなぁ。
もちろん親善試合だから、あんな偏った選手起用をしたということもあるけれど、選手交代でガラッとメンバーが変わってからは、最終予選に向けてあまり意味のない時間帯だったようにも見える。
日本代表はこのあと15日に、アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦することになっています。
ここで引き分け、あるいは負けるとほんと厳しくなるので、絶対に勝ってほしい。
その願望もあって、少々辛口な試合の感想となりました。