6月に発表された最新のFIFAランキングでは、スイスは6位と世界トップレベルの実力。
日本は61位なので、容易に結果は想像がつきますが、ワールドカップ開幕直前のこの時期に、これほどの相手と試合をして、日本はどれくらい戦えるんだろうと、勝敗よりも内容を気にしながら見ていました。
日本代表対スイス代表の試合経過
前半は終盤まで耐えたが、PKで先制される
日本は4-5-1の布陣。ホームのスイスが積極的に仕掛け、日本がどうにか耐えるという、実力差どおりの滑り出し。時間が経過するにつれ、スイスの勢いも落ち着きはしたものの、日本の劣勢は変わらず。
前半はお互い無得点で終わるかと思った42分、ブレール・エンボロに日本の右サイドを突破され、吉田麻也がエリア内で倒してしまい、ファールを取られる。
このPKをリカルド・ロドリゲスに決められ、スイスが先制します。
スコア以上に実力の違いを思い知らされ、連敗
後半も日本はピンチの場面が続きますが、失点だけはどうにか阻止。しかし後半の37分、ジェルダン・シャチリにドリブルでエリア内深く侵入されると、ファーサイドへクロス。これを中央に折り返され、ハリス・セフェロヴィッチに豪快に決められてしまった。
ここまでPKによる失点だけでしのいでいたので、なんとか守れていると思っていたけど、点を取ろうと思えばいつでも取れると言わんばかりに、格の違いを見せつけられるような失点の仕方でした。
試合はそのまま2-0でホームのスイスが勝利。
日本は昨年の東アジア杯で中国に勝利してから、引き分けを挟んで4連敗となった。
日本代表対スイス代表の試合の感想
PKの判定はしかたない
最初のPKにつながるシーンでは、サイドを突破しようとするブレール・エンボロの対応を酒井高徳が誤り、完全に背後を取られた結果、吉田がファールで止める形になってしまった。そこは酒井が身体を入れ替わられた瞬間に、ファールしてでも止めないと!
PKの判定は、正直、審判のジャッジがちょっと厳しいと思ったけど、数分前に中盤から背後を狙うボールをキャッチ、あるいはパンチングしようと川島永嗣が飛び出して、エリア内で相手選手と接触している。
スイスの選手が触ったあとでぶつかってしまったので、ここでファールを取られてもおかしくはなかった。
なので、その後の吉田がファールを取られたとしても、文句は言えない・・・。
相手の守備を崩すためには、まずは基本的なことから
2失点目はスイスのカウンターが見事に決まった。日本陣内に入ったところで、サイドチェンジでシャチリへロングパスが通る。ここには交代で入った酒井宏樹が寄せてはいたが、ボールに触ることはできず、クロスをあげられてしまう。
このときシャチリは近くにいる選手にいったんボールをあずけ、ワンツーで酒井のマークを一瞬外すことができ、次のプレイにつながった。
単独で持ち込んでいたら、酒井がなんとかボールにさわってクロスを阻止できたかもしれない。目立たない部分ですが日本もお手本にしたいくらい、味方をうまく使った良い連携でした。
ワールドカップでは絶対やっちゃダメなミス
後半30分あたりでも、致命的といえるミスが出てしまいました。川島永嗣がボールをキャッチすると、スローイングですぐに乾貴士へボールを出そうとするのですが、これをシャチリにカットされ、すぐさまロングシュート。
川島はスローイングのため前に出ていたので戻りきれず、ゴール前はがら空きでしたが、シュートは枠外にとび、事なきを得た。
相手が帰陣する前に速攻で崩そうと狙っていたんだろうけど、相手選手に取られては元も子もない。
最後に・・・
FIFAランキングが一ケタのチームと対戦することはそんなにあるわけではないですから、日本はどの程度やれるのかと、楽しみにしていた部分がありました。前半のPKによる失点だけで、そのまま試合が終わっていたら、たとえ相手が本気を出していなかったとしても、善戦したと思えたかもしれない。
シュート数ではスイスが11本なのに対し、日本も撃たされる形になっていたとはいえ、いちおう10本、そのうち枠内は5本もあったので、1点でも取れていたら良かったんですけどね。
日本代表対スイス代表の試合結果
【スコア】日本代表 0-2 スイス代表
【得点者】
42分 リカルド・ロドリゲス(PK・スイス)
82分 ハリス・セフェロヴィッチ(スイス)