ワールドカップを2ヵ月後に控えた時期で、監督解任というのはビックリです。後任には、西野朗氏ということも発表されました。
ワールドカップ出場が決まってからの内容が良くなかった
本大会に向けた戦い方を楽しみにしていた
サッカー日本代表は昨年の8月末に行われたオーストラリアとの試合で、ワールドカップ出場を決めました。ハリルホジッチ監督の代名詞でもある「縦に速いサッカー」には、疑問を感じることが多々ありましたが、アジア予選ではあくまでも勝ち抜くためと割り切ってみていました。
その予選が終わり、いよいよ本番を想定した戦い方にシフトする。果たしてどんなふうに仕上げていくのだろう・・・と楽しみにしていたんですけどね。完成した形を見れず、残念です。
ワールドカップに向け、期待されるほどの結果を見せられなかった
10月に行われたニュージランド、ハイチとの試合は1勝1分ながらも、アジア予選から大きな変化は感じられない。11月も欧州遠征でブラジル、ベルギーと試合が行われましたが、2戦して2敗。数名の主力選手が招集を外されるなど、せっかくワールドカップに出場する国との試合なのに、ここでも実際に本大会でどう戦うのか、方向性が見えなかった。
国内組みだけで臨んだ12月の東アジア選手権(E-1)は、北朝鮮、中国には1点差で勝利するも、韓国に1-4で完敗。Jリーガーだけとはいえ、もうちょっとがんばってほしかったです。
そして今年3月の欧州遠征ではグループリーグで対戦する相手を仮想して、マリ、ウクライナと試合をしましたが、1分1敗と結果もさることながら、内容もともなわず、このままでは本大会でも勝てないという印象を植えつけることに。
今の時期に解任するのはどうだろう?と思うけど、ここまでの結果で言えば、解任されてもおかしくない。
ハリルホジッチ監督と信頼関係を築けず
監督の解任発表の会見では田嶋幸三会長が、選手との信頼関係が薄れてきていたと言っていました。ワールドカップ出場を決めて以降の試合をみて感じたのは、
ハリルホジッチ監督の考えるサッカーがどこまで選手に伝わっているのか?
ワールドカップではこのように戦うといった、具体的な戦い方を選手は理解しているのか?
こういったことでした。
試合後にもっとこうしておけば良かったとコメントするなど、戦い方そのものに疑問を感じる選手もチラホラいましたので、監督の言うサッカーをすれば結果を残せると、信じきれない選手が出てきても不思議ではありません。
試合のたびに選手が入れ替わり、監督の指示通りのプレーをしようとしても、うまくいかないことのほうが多かったですし、戦い方や起用法など、傍から見ていても疑問を感じるのですから、選手のほうはもっと不信感があったかもしれません。
それでも最後まで見てみたかった
ハリルホジッチ監督になってから、38試合で21勝9分8敗と、結果としてはまずまずと思うのですが、ひどい内容の試合がけっこうありました。就任して間もない頃は、とにかく縦に速くということを意識させるあまり、なんでもかんでもポンポン前方へボールを出すだけ。でもすぐに相手に回収され、休む暇もなく、守る時間が増える。
なにも収穫を得ないで終わるような試合もありましたね。
そんな戦い方で最後までやり通すのだろうか?
さすがに本大会では、なにか対策を考えているのでは?
・・・なんて思ったり。
ハリルホジッチ監督は前大会でアルジェリア代表を指揮し、グループリーグを突破、1回戦で敗退したものの、ドイツ代表に善戦している。
日本代表でもそのまま指揮を執っていたら、どんな結果になったのか、最後までみたかったな・・・という気持ちがあります。
最後に・・・
ハリルホジッチ監督はJリーグの試合にもこまめに足を運び選手をチェックするなど、日本代表のために一生懸命働いてくれていました。代表メンバーの発表の際にも、選考理由など自身の考えをできるだけ伝えてくれるので、個人的にはけっこう好きな監督でした。
ただ、前大会から日本代表が強くなったとまでは、感じられません。
選手個々では、当時よりもレベルアップしていると思うんですけどね。
大会を2ヵ月後に控えた今になって監督を変えるのは賛同しかねる気持ちもありますが、かといってこのまま任せてほんとに大丈夫なんだろうか?という気持ちも少なからずある。
今は、できればグループリーグの3戦目まで、トーナメント進出の可能性が残るような結果になってくれることを願っています。