先日ルヴァン杯と2ndステージで優勝しましたが、それまで長らくタイトルとは無縁だった浦和レッズと、まだ主要なタイトルを獲得したことのない川崎フロンターレのどちらが年間総合で1位と取るか注目を集めますが、それとは別に気になるのは残り一つの枠となったJ2へ降格のかかる残留争い。
J2降格の可能性のあるクラブ
すでにアビスパ福岡と湘南ベルマーレの降格が決まっており、降格の可能性があるのはジュビロ磐田(33)、ヴァンフォーレ甲府(31)、アルビレックス新潟(30)、名古屋グランパス(30)。カッコ内は勝ち点です。磐田は引き分け以上、甲府は勝利すれば、他クラブの結果にかかわらず残留が決まる。新潟と名古屋はよその結果次第という状況。これらのクラブの運命を左右するのが対戦相手。最終節は以下のようなカードが組まれています。
仙台(12位) 対 磐田(13位)
甲府(14位) 対 鳥栖(11位)
新潟(15位) 対 広島(6位)
名古屋(16位) 対 湘南(17位)
左側がホームで右側がアウェイ、カッコ内は前節までの年間総合順位です。
一つ一つ、クラブと対戦カードについて見ていきます。
ジュビロ磐田
仙台には1stステージでは磐田のホームで3-0で勝っており、アウェイでも過去の対戦では3勝2敗6分と勝ち越している。しかし磐田は2ndステージでは年間総合最下位の福岡に勝利しているだけで、ここまで1勝8敗7分と苦しんでいる。最近の試合では第13節から15節で下位のクラブと対戦しましたが、湘南にスコアレスドロー、新潟に1-2で敗戦、名古屋とは1-1で引き分けに終わり、そのため最終節まで降格争いに関わることになってしまった。
自動的となる残留条件の引き分け以上で試合を終えるというのは、2ndステージを見る限りそんなに簡単なことではないのかもしれない。
もっとも、磐田だけ負けて、ほかの3クラブが勝利で終えるというケースのほうがもっと可能性は低そうなので、大敗さえしなければ負けても残留できそうな気もします。
今回降格圏内に入っているクラブの中では、降格の可能性が一番少なそうです。
ヴァンフォーレ甲府
鳥栖とは1stステージではアウェイで1-1の引き分け。最終節は甲府のホームでの対戦となりますが、過去の対戦成績ではホームで21戦6勝8敗7分と負け越している。
同じく残留争いをする新潟が対戦する広島は、年間順位では6位と一番強いけれど2ndステージでは10位であり、鳥栖は2ndステージだけなら8位と、広島も上回る成績を残している。もしかしたら新潟以上にきつい相手かもしれない。
甲府は年間の勝ち点では新潟、名古屋よりも勝ち点で1点上回っているものの、得失点差で-25と、両クラブより大きく離れている。
そのため甲府が負けた上で、新潟と名古屋のどちらも引き分けとなった場合、勝ち点31で並び、得失点差で甲府の降格となる。
もちろん勝利で終われば自動的に残留なので、そうなれば問題ないのですが、仮に甲府が引き分けで終わった場合は、下位のクラブがともに勝利する以外に降格することはないので、最低でも引き分け以上で他会場の結果に望みをかけることになる。
アルビレックス新潟
昨シーズンJリーグを制した広島が相手となる。残留争いをするほかの3クラブに比べたら、もっとも対戦相手が厳しい。
1stステージではアウェイで0-1で負け、過去のホームでの対戦でも3勝8敗5分と勝つことは容易ではない。
それでも仮に新潟が広島に勝てれば残留する可能性は、グッとかなり高くなります。
名古屋とは勝ち点では同数ながらも、得失点差で新潟は-15、名古屋は-18と新潟のほうが上回っています。
得失点差が同数の場合は、総得点数が優劣の対象になりますが、こちらは名古屋が4点上回っている。新潟が広島に1点差で勝てば、名古屋が得失点差をひっくり返すには4点差をつけて勝たなければならない。
逆に新潟と名古屋がお互い負けた場合、得失点差で新潟が有利なぶん、大敗さえしなければ名古屋より上の順位でシーズン終了となる。
ただ、大敗さえしなければ・・・というのも、可能性がないわけではない。
最近の試合でも上位のクラブと対戦することが多く、第12節の横浜戦以降、鹿島、浦和、ガンバ大阪と対戦し、2失点以上でいずれも負け、浦和戦以外は2点差で敗れている。
仮に名古屋が0-1で負けた場合、新潟は0-4で負けると得失点差で並び、総得点数の差で名古屋より順位が下になってしまう。4点差をつけられて負ける・・・ありえないことではない。
それなら広島戦でまずは失点しないように守備を重視して・・・と、負けない戦い方を意識して最悪でも引き分けを狙う選択肢もありますが、名古屋が勝ち、甲府が引き分け以上なら降格となる。
引き分け狙いで戦うのも残留争いをする中ではベストな選択とは言い難い。
どういう方針で広島と戦うのか、監督の采配が興味深いです。
名古屋グランパスエイト
現在降格となる16位に位置するとはいえ、最終節の対戦相手がすでに降格決定となっている湘南なので、対戦相手には恵まれたと言える。1stステージでは1-2と敗戦したものの、湘南との過去の対戦成績は25戦15勝9敗1分と相性が良く、ホームなら9勝3敗と大きく勝ち越している。
現状では勝っても残留できるかどうかは甲府と新潟の結果次第ですが、甲府と新潟が引き分け以下で終わる可能性は高く、名古屋は勝ちさえすれば残留できるのではないか・・・と見ています。
引き分けた場合でも、甲府か新潟が負ければ残留できる。
甲府が引き分け以上となるか、負けるかは半々といった感じですが、新潟が広島相手に引き分け以上に持ち込むのはハードルが高そう。
なので名古屋は引き分けでも残留できる可能性は、思った以上に高いかもしれない。
しかし湘南に負けてしまった場合は、降格がほぼ決まったと言える。
唯一の望みは、新潟が広島に大量失点で負けることだけ。
そういうこともないわけではないけれど、そこに過度の期待はできない。
試合の予想
ホームの勝ち【1】、ドロー【2】、アウェイの勝ち【3】というtoto方式でずばり予想してみます。【2】仙台対磐田
【3】甲府対鳥栖
【3】新潟対広島
【1】名古屋対湘南
磐田はやはり勝てていないことが気になり、お互い1点か2点ずつ取り合っての引き分け。
甲府は先に鳥栖に点を取られ、追いつくことができずに負け。
新潟は広島との実力差から、負け。
名古屋は監督が交代してからは以前ほど悪くないので、勝ち。
こんな風に予想してみましたが、果たしてどうなることやら。
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